市外・県外の障がい者グループホームに入居できる?受給者証・住民票の確認手順

「今住んでいる市ではないグループホームへ相談してよいの?」「県外のホームを選ぶと、受給者証は取り直しになる?」——グループホームの市外入居を考えるとき、こうした疑問は珍しくありません。

結論からいうと、市外・県外に住んでいる方も、候補の障がい者グループホームへ入居相談をすることはできます。ただし、相談できることと、入居が決まることは別です。 利用には、共同生活援助の支給決定と受給者証の内容、空室、受入条件、必要な支援との適合、見学・体験、契約などの確認が必要です。

また、共同生活援助には「居住地特例」が関係します。一般的な引越しと手続きが異なることがあるため、住民票を動かす前に確認することが大切です。この記事では、2026年8月2日時点の国・自治体の公式資料をもとに、確認する順番を整理します。

まず押さえたい3つの結論

  1. 市外・県外からでも、候補ホームへの相談は始められます。 ただし、空室表示や相談受付だけでは入居は確定しません。
  2. グループホームの受給者証は「入居許可証」ではありません。 市町村による支給決定の内容を証明する書類で、共同生活援助のサービス種類や支給量などを確認するために使います。[4]
  3. 住民票の異動を先行させず、担当窓口を確認します。 共同生活援助は居住地特例の対象であり、一般転居と同じ手順になるとは限りません。[2][5]

グループホームの市外入居で「担当自治体」が単純に決まらない理由

障害福祉サービスの支給決定は、原則として本人の居住地である市町村が行います。居住地がない、または明らかでない場合には、現在地の市町村が扱うという原則があります。[1]

一方、障害福祉の共同生活援助を行う住居は、国の事務処理要領で居住地特例の対象に挙げられています。[2] 「住所地特例」という言い方を見かけることもありますが、障害福祉の国資料で使われる正式な表記は「居住地特例」です。この記事では、初めての方に伝わりやすいよう「居住地特例(いわゆる住所地特例)」と説明します。[3]

居住地特例が成立するケースでは、入居先の市町村へ移ったという事実だけで、支給決定の担当が自動的に入居先自治体へ変わるわけではありません。入居前の生活の本拠や、これまで利用してきた病院・施設・他のグループホームなどの経過を確認して、担当自治体が判断されます。

そのため、次のような一律の案内はできません。

  • 現在の自治体が必ず手続きを担当する
  • 入居先の自治体へ必ず申請し直す
  • いまの受給者証を何も変更せずそのまま使える
  • 住民票を移せば担当自治体が決まる

「居住地」は住民票の所在地だけで機械的に判断されるとは限らず、生活の本拠などの実態も確認されます。[6] 個別の経過によって扱いが変わるため、本人や家族だけで決めず、市区町村間で確認してもらうことが必要です。

受給者証で確認すること

受給者証は、市町村が支給決定をした後に交付する書類です。支給決定を受けたことや、利用できる障害福祉サービスの種類、支給量などを証明し、指定事業者へ提示して利用します。[4]

すでに受給者証がある場合でも、次を確認します。

  • サービス欄に「共同生活援助」が含まれているか
  • 有効期間が切れていないか
  • 支給量や利用条件に変更が必要か
  • 住所や交付自治体に関する届出・記載変更が必要か
  • 現在利用中のサービスとの調整が必要か

受給者証をまだ持っていない場合や、共同生活援助が記載されていない場合も、候補ホームへの相談そのものは始められます。玉名市の一般的な案内では、相談・申請、サービス等利用計画の作成、支給決定と受給者証の交付、事業者との契約という順で利用へ進みます。[7]

ただし、申請しただけで希望どおりの支給決定が必ず出るわけではありません。また、受給者証が交付されても、特定のホームへの入居を保証するものではありません。

住民票を動かす前に確認したいこと

通常の市外転居では、転出元での支給決定の取消しや受給者証の返還、転入先での申請が必要になる場合があります。一方、厚生労働省の事務処理要領は、この通常の転出手順から居住地特例対象施設への入所に伴う人を除外しています。[5]

つまり、共同生活援助への入居を検討しているときは、まず「通常転居として扱うのか」「居住地特例に当たるのか」を切り分ける必要があります。住民票の異動手続き自体にも法定の時期があり、転入届は実際の転入後に行う一般手続きです。[8]

居住地特例は、住民異動届を不要にする制度ではありません。住民票、受給者証、国民健康保険、自立支援医療、生活保護などは、それぞれ制度や担当が異なることがあります。すべてを一つのルールで判断せず、該当する窓口へ確認しましょう。

市外・県外のグループホームへ相談するときの5ステップ

1. 候補ホームへ「相談できるか」を確認する

最初に、居住地、年齢、性別、現在の暮らし、障がい福祉サービスの利用状況、希望する入居時期を伝えます。この段階では入居を決める必要はありません。

2. 手元の情報を整理する

受給者証の有無・交付自治体・有効期限・共同生活援助の記載を確認します。入院中、施設入所中、他のグループホーム利用中の場合は、以前の生活の本拠や利用歴も整理します。

3. 三者で担当自治体と必要手続きを確認する

現在の障害福祉担当窓口、相談支援専門員、候補ホームの三者へ相談します。必要に応じて、現在の自治体と入居先自治体の担当者同士で、居住地特例の該当性や申請・変更手続きを確認してもらいます。

4. 見学・面談・体験で暮らしとの相性を確かめる

制度上の手続きだけでなく、本人が安心して暮らせるかが大切です。夜間の支援、通院や日中活動、食事、生活ルール、金銭・服薬の支援、他の入居者との共同生活などを確認します。

5. 支給決定・受給者証・契約・住民異動の順序を確定する

誰が、いつ、どの窓口へ申請・変更届を出すかを確認します。支給決定と受給者証、空室・受入条件、体験結果、契約内容がそろってから、住民異動を含む実際の日程を調整します。

相談先主に確認すること確認する時期
候補のグループホーム相談可否、対象、空室、必要な支援、見学・体験、契約条件候補を見つけた段階
現在の市区町村の障害福祉窓口現在の支給決定、受給者証、居住地特例、変更・届出住民票や契約を動かす前
相談支援専門員本人の希望、サービス等利用計画、自治体・事業所間の調整相談開始から入居後まで
入居先市区町村の窓口入居先側で必要な確認、自治体間調整、関連制度現在の窓口から案内を受けた段階

玉名市・大牟田市の公式案内から分かること

玉名市の公式ページでは、障害福祉サービスの一般的な利用手順として、相談・申請から支給決定、受給者証交付、事業者との契約までを案内しています。[7] ただし、このページだけでは、市外・県外から共同生活援助へ入る個別ケースの担当自治体までは判断できません。

大牟田市の転出案内には、一般的な転出時の受給者証返還や転入先での手続きが掲載されています。[9] しかし、共同生活援助の居住地特例を個別に説明する資料ではありません。大牟田市から熊本県内のホームを検討する場合も、この一般案内をそのまま当てはめず、大牟田市の障害福祉窓口と候補ホームへ個別に確認してください。

全国の指定障害福祉サービス事業所は、WAM NETの「障害福祉サービス等情報検索」で探せます。[10] ただし、検索結果は現在の空室、本人の受入可否、受給者証の扱い、担当自治体まで確定するものではありません。

いろねの家へ市外から相談する場合

いろねの家は、居住市町村を問わず相談を受け付けています。[11] 玉名市・荒尾市・長洲町・和水町・玉東町・南関町のほか、熊本県内や大牟田市など県外にお住まいの場合も、まず状況をお聞かせください。

いろねの家 六田は男性向けの共同生活援助です。診断名や居住地だけで受入れを判断せず、必要な支援と共同生活との相性を個別に確認します。[12] 受給者証がまだない段階でも相談できます。[13]

相談後は、状況確認、面談、見学、体験、受給者証や支援体制・費用の調整、契約と段階的に進めます。相談だけで契約や入居が決まることはありません。[14]

関連情報は、対象となる方見学・入居までの流れ空室状況よくある質問医療・福祉関係者の方へで確認できます。

よくある質問

県外のグループホームでも受給者証を使えますか?

県境を越えることだけで一律に可否は決まりません。共同生活援助の支給決定内容、居住地特例の該当性、受給者証の変更の要否、候補事業所の指定・受入条件を、担当窓口へ確認してください。

受給者証がなくても見学や相談はできますか?

いろねの家では相談できます。[13] ただし、共同生活援助の利用開始までには、市町村の支給決定と受給者証の交付・内容確認が必要です。

先に住民票を入居先へ移した方が早いですか?

一律にはいえません。共同生活援助は居住地特例の対象であり、通常転居と手続きが異なる場合があります。現在の障害福祉窓口、相談支援専門員、候補ホームで順序を確認してから進めてください。

担当自治体はどこが決めますか?

国の法令・事務処理要領に沿って、本人の生活の本拠や入院・施設利用歴などの事実関係を確認し、関係自治体が判断します。本人や事業所だけで確定することはできません。

WAM NETで見つけたホームにはすぐ入れますか?

事業所情報を探すための公的な検索サービスですが、空室や個別の入居可否は別確認です。候補ホームへ直接相談し、見学・体験、支援との適合、契約条件を確かめてください。

相談前にメモしておくとよい項目

  • 現在の住所と生活の本拠
  • 受給者証の有無、交付自治体、有効期限、サービス欄
  • 現在利用している障害福祉・医療・介護サービス
  • 入院・施設入所・他グループホームの利用歴
  • 希望する地域と入居時期
  • 日中活動、通院、服薬、金銭管理、夜間支援など必要な支援
  • ご本人が希望する暮らし方と、避けたいこと

すべてが分からなくても相談は始められます。分かる範囲で整理し、未確認の項目を窓口や相談支援専門員と一緒に確認してください。

まとめ:住民票を動かす前に、相談と制度確認を並行する

グループホームの市外入居では、候補ホームへの相談と、受給者証・居住地特例の確認を並行して進めることが大切です。市外・県外から相談できても、支給決定や入居可否は個別確認になります。

いろねの家への相談は、入居を決める手続きではありません。まず確認事項を整理したい方は、お問い合わせから現在の居住地、受給者証の状況、希望時期を分かる範囲でお知らせください。急いで住民票や契約を動かさず、必要な窓口と順序を一緒に確認します。

制度・窓口情報は2026年8月2日時点で確認しています。法令、事務処理要領、自治体の取扱いは更新されることがあります。実際の申請・住民異動・利用開始前に、現在の市区町村の障害福祉担当窓口と関係者へ最新情報をご確認ください。

出典一覧

  1. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(令和8年7月版)」PDF P2-P5、2026年8月2日確認。https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf
  2. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(令和8年7月版)」PDF P3、2026年8月2日確認。https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf
  3. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(令和8年7月版)」PDF P2-P5、2026年8月2日確認。https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf
  4. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(令和8年7月版)」PDF P113-P115、2026年8月2日確認。https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf
  5. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(令和8年7月版)」PDF P246-P249、2026年8月2日確認。https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf
  6. 東大阪市「障害福祉サービス等支給決定ガイドライン」第1章、2026年8月2日確認。https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000024612.html
  7. 玉名市「障がい福祉サービスについて」サービス利用までの流れ、2026年8月2日確認。https://www.city.tamana.lg.jp/q/aview/314/18183.html
  8. デジタル庁「引越し手続オンラインサービス FAQ」転入届の提出時期、2026年8月2日確認。https://www.digital.go.jp/policies/moving_onestop_service/faq-01
  9. 大牟田市「転出される方へ」障害福祉サービス関係の手続き欄、2026年8月2日確認。https://www.city.omuta.lg.jp/kiji0033624/3_3624_124761_up_hvwng275.pdf
  10. WAM NET「障害福祉サービス等情報検索」検索トップ、2026年8月2日確認。https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/
  11. いろねの家「医療・福祉関係者の方へ」相談対象エリア、2026年8月2日確認。https://www.irone-home.com/for-supporters.html
  12. いろねの家「対象となる方」対象・個別確認、2026年8月2日確認。https://www.irone-home.com/target.html
  13. いろねの家「よくある質問」受給者証に関するFAQ、2026年8月2日確認。https://www.irone-home.com/faq.html
  14. いろねの家「見学・入居までの流れ」相談から契約まで、2026年8月2日確認。https://www.irone-home.com/flow.html

← コラム一覧へ戻る

聞きたいことを、そのまま聞いてください。

ご本人・ご家族・支援者のどなたからでも相談できます。